りんご病(伝染性紅斑)とは?
年長児や学童期を中心に春から夏にかけて流行する感染症で、両頬がりんごのように赤くなることから「りんご病」とも呼ばれます。
症状
感染5~10日後に、発熱、倦怠感、筋肉痛などの軽微な症状が見られます。その後、両頬に境界明瞭な紅斑(赤み)が生じます。続いて腕、足にも網目状、レース状または大理石紋様の紅斑が現れます。
また、体幹部(胸腹背部)にも同じ発疹が現れることもあります。発疹は1~2週間程度で落屑や色素沈着(シミ)を残さずに消失します。
※落屑(らくせつ)とは、 表皮角質層の上層部が大小の薄い断片となってはがれ落ちる現象のこと
原因
原因ウイルスであるヒトパルボウイルスB19は通常、咳やくしゃみなどによる飛沫感染で体内に取り込まれることで感染が成立します。また、感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、その手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染も原因の一つとして考えられます。
治療方法
特異的な治療はなく、症状を和らげるための対症療法が基本です。
痒みが強い時
■抗ヒスタミン薬内服
発熱、関節痛がつらい時
■解熱鎮痛薬内服
生活上の注意点
- 入浴は構いませんが熱いお風呂に長く入ると赤みが強くなって長引くことがあるので、短時間で切り上げましょう。
- 運動をしたり、日光に長く当たると、長湯と同じように赤みが長引くので注意しましょう。
- 頬が赤くなっているときは、すでにウイルスが人へ感染する時期を過ぎているので、登園・登校してもかまいませんが、あまり真っ赤な頬なら2~3日は休ませることも検討されます。
- 妊婦さんが感染すると流産の原因となることもあるため、子供さんが感染した場合は必ず産婦人科で相談するようにしてください。