脇汗の多汗症

脇汗の多汗症とは?

多汗症(たかんしょう)とは汗を過剰にかく病気です。通常は汗をかかない場面であっても、大量の汗をかきます。多汗症にはいくつか種類があり、原因や症状によって分類されています。

脇の多汗症

脇では、精神性発汗(精神的に緊張すると生じる汗)と温熱性発汗(体温調節のために生じる生理的な汗)の2つがあります。
症状としては、左右対称性に多くの脇汗がみられ、下着やシャツに汗によるシミができることが多いです。また、手足の多汗を伴っていることが多いと言われています。

症状

脇の発汗過多(多量の汗をかくこと)を認めます。

原因

エクリン腺の過剰分泌によります。

治療方法

保険治療

■内服薬
臭化プロバンテリン
(商品名:プロバンサイン)
抗コリン作用により発汗を抑える内服の薬剤です。内服中は制汗しますが、内服を止めると、また発汗しますので内服を続ける必要があります。ただし、この薬のもう一つの作用として唾液の分泌を抑えるので、口渇が見られます。そのため、ひどい口渇がある場合は内服する量を2分の1にするなどの減量が必要となります。

■外用薬
ソフピロニウム臭化物(商品名:エクロック®ゲル)
日本で初めて健康保険の適用が認められた、原発性腋窩多汗症用の塗り薬です。抗コリン作用により神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻害することで発汗を抑える外用の薬剤です。両脇に1日1回適用量を外用していただきます。また重篤な副作用は無く安全にお使いいただけます。副作用としては、皮膚炎、紅斑、かゆみ、湿疹、口の渇きなどが認められます。


薬剤に関する詳しい情報は下記のサイトをご覧ください。
https://ecclock-info.jp/check.html

グリコピロニウムトシル酸塩水和物(商品名:ラピフォートワイプ®)

エクロック®ゲルと同様の原発性腋窩多汗症用の塗り薬です。抗コリン作用により神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻害することで発汗を抑える外用の薬剤です。両脇に1日1回適用量を外用していただきます。また重篤な副作用は無く安全にお使いいただけます。副作用としては、羞明、ドライアイ、散瞳、霧視、接触皮膚炎、湿疹、排尿困難、頻尿、口渇などが報告されています。

外用薬であるソフピロニウム臭化物(商品名:エクロック®ゲル)は12歳以上から処方可能です。グリコピロニウムトシル酸塩水和物(商品名:ラピフォートワイプ®)は9歳以上から処方可能です。

自費治療

ボツリヌストキシン注入
【 ボツリヌストキシン注入の利点 】
汗を分泌する神経を遮断することで汗の分泌を軽減させます。

【 脇多汗への利点 】
・腋臭症(わきが)治療も兼ねる
・1本の注入で約半年間から1年間脇汗が止まる
・手術と違い、注射なので傷が目立たない

治療を受ける上での注意点

ボツリヌストキシン注入の注意点

内出血、注入部分に発赤、腫れ、硬結、痛みなどがあります。
※現在、当院では頭部・顔面の多汗症に対しては、施術範囲が大きいこともあり積極的にボツリヌストキシン注入は行っておりません。

治療を受けることが難しい方

特記事項なし

料金表

ボツリヌストキシン注入

両脇の多汗症¥33,000
※料金は税込み表示になります。

この記事を書いた人

宗大先生

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士