オテズラ(アプレミラスト)(乾癬・掌蹠膿疱症の治療薬)

オテズラ(一般名:アプレミラスト)は、内服により全身の炎症を調整する治療薬で、
慢性炎症性皮膚疾患である乾癬および掌蹠膿疱症に対して用いられます。

これまで外用療法(塗り薬)や光線療法で十分な改善が得られなかった方に対して、全身治療の選択肢となる内服薬です。

本記事では、オテズラの作用機序や期待される効果、副作用、他の乾癬治療との違いについて詳しく解説します。

乾癬とは?掌蹠膿疱症とは?

乾癬

乾癬(かんせん)は、免疫の異常により皮膚に慢性的な炎症が生じる疾患です。

主な症状として

・皮膚が赤く盛り上がる紅斑
・白いかさぶたのような鱗屑(りんせつ)
・かゆみ
・関節の痛み(乾癬性関節炎)

などがみられます。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すため、長期的な管理が必要な慢性疾患です。

掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に繰り返し膿疱(うみをもった発疹)ができる慢性炎症性疾患です。

  • 手足の赤み
  • 小さな膿疱
  • ひび割れや強い痛み
  • 日常生活への支障

を伴うことがあります。喫煙や金属アレルギーなどが関連する場合もあり、治療が長期化することがあります。

オテズラ(アプレミラスト)とは?

オテズラは PDE4阻害薬(ホスホジエステラーゼ4阻害薬) に分類される内服薬です。

炎症に関与する酵素であるPDE4を調整することで、

・TNF-α
・IL-23
・IL-17

などの炎症性サイトカインの産生バランスを整え、皮膚や関節の炎症を抑制します。

※強力な免疫抑制薬ではなく、「炎症のバランスを整える」タイプの治療薬です。

オテズラの作用と期待される効果

  • 紅斑の軽減
  • 鱗屑の減少
  • 掻痒の改善
  • 関節症状の軽減
  • 生活の質(QOL)向上

効果発現までは 通常4〜8週間程度 を要します。

オテズラ(アプレミラスト)の治療対象の方

原則として 15歳以上の方 が対象であり、「外用療法で効果不十分な中等症以上の症例」方が検討対象となります。

以下のようなケースで検討されます。

✔ 外用療法で十分な改善が得られない
✔ 病変が広範囲に及ぶ
✔ 日常生活への影響が大きい
✔ 注射治療に抵抗がある
✔ 通院頻度を抑えたい

※内服開始後も、外用療法は併用していただきます。
※投与開始後も、原則として外用剤は継続していただきます。

適応疾患

掌蹠膿疱症

尋常性乾癬/乾癬性関節炎

掌蹠膿疱症に対してオテズラが適している方

  • 外用療法のみでは効果が不十分
  • 注射治療(生物学的製剤)に抵抗がある
  • 通院頻度を抑えたい方

尋常性乾癬/乾癬性関節炎に対してオテズラが適している方

  • 外用療法のみでは効果が不十分
  • BSA10%以上の中等症以上
  • 関節症状を伴う場合(乾癬性関節炎)
  • 注射治療(生物学的製剤)に抵抗がある
  • 通院頻度を抑えたい方

オテズラ(アプレミラスト)を用いた乾癬・掌蹠膿疱症治療の流れ

オテズラ(アプレミラスト)の内服治療をご希望の方は、あらかじめ診察を受けていただき、医師が適応かどうかを判断いたします。
医師により適応があると判断され、ご本人が治療を決めていただいた場合には、当日もしくは次回来院日に当院での内服薬処方が可能となります。

オテズラの投与スケジュール

初回(14日分:スターターパック使用
1日目朝10mg
2日目朝10mg、夕10mg
3日目朝10mg、夕20mg
4日目朝20mg、夕20mg
5日目朝20mg、夕30mg
6日目以降朝30mg、夕30mg

※オテズラは高額な治療になりますので、診察の際、医療費などに関する説明を聞いていただきます。
お配りするパンフレットには、具体的な医療費の助成制度も記載されておりますのでご参照ください。
※効果発現には通常2〜6週間程度を要します。


オテズラ(アプレミラスト)に関する詳しい情報が知りたい方は下記製造元のウェブサイトをご覧ください。

オテズラ(アプレミラスト)の副作用・注意点

  • 下痢(初期に多い)
  • 悪心
  • 頭痛
  • 体重減少
  • 抑うつ症状

    ※消化器症状は数週間で軽減することが多いとされています。

注意事項
重篤なアレルギー症状が出た場合は速やかに受診して下さい。
妊娠中・授乳中は要相談して下さい。
気分変調があれば速やかに申告して下さい。

オテズラ(アプレミラスト)の料金

オテズラは保険適用の治療薬ですが、高額な治療となります。
患者様の年齢や年収、加入している健康保険組合により負担額は異なりますが、医療費の助成制度を上手くご活用いただき治療にお役立てください。
治療前にお配りするパンフレットには、具体的な医療費の助成制度も詳しく記載されておりますのでぜひご参照ください。

初回(14日分:スターターパック使用初回以降(28日分)
薬剤総額¥22,770¥55,440
3割負担¥6,831¥16,632
2割負担¥4,554¥11,088
1割負担¥2,277¥5,544

※2026年2月現在、薬価は厚生労働省が定める保険収載価格(薬価基準)に基づきます。

オテズラ(アプレミラスト)乾癬・掌蹠膿疱症の治療薬まとめ

オテズラは生物学的製剤とは異なり、強い免疫抑制作用を伴いにくい点が特徴で、定期的な厳密な血液検査を必要としにくいなど、比較的導入しやすい全身療法の一つです。
一方で、下痢や吐き気などの消化器症状、体重減少、気分変調などの副作用がみられることがあるため、治療中は体調の変化に注意しながら経過をみていく必要があります。

乾癬や掌蹠膿疱症は慢性的に経過する炎症性疾患であり、症状の程度や生活への影響、これまでの治療歴などを総合的に評価し、患者様一人ひとりに適した治療を選択することが重要です。

当院では、オテズラによる内服治療のほかにも、

ナローバンドUVB治療(全身型光線療法)
エキシマライト(局所型光線療法)
・経口JAK阻害薬(ソーティクツ®)

など、複数の治療選択肢をご用意しています。患者様それぞれの症状やご希望、ライフスタイルに合わせて最適な治療方針をご提案いたします。

治療をご検討中の方は、まずは当院医師までお気軽にご相談ください。

オテズラのよくある質問

どのくらいで薬剤の効果が出ますか?

通常2〜6週間で改善傾向を評価します。

血液検査は必要ですか? 

頻回な採血は必須ではありませんが、必要に応じ実施します。

生物学的製剤との違いは?

注射不要で内服可能な点が特徴です。

長期間服用できますか?

医師管理下で継続可能です。

保険適用ですか?

保険適用です。自己負担割合により費用は異なります。

この記事を書いた人

宗大先生

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士