ソーティクツ(デュークラバシチニブ)― 1日1回の飲み薬で行う乾癬の新しい治療 ―

ソーティクツ(一般名:デュークラバシチニブ)は、乾癬の炎症に関わる免疫の“スイッチ”の一部を調整する内服薬(TYK2阻害薬)です

これまで外用療法(塗り薬)や光線療法で十分な改善が得られなかった方に対して、全身治療の選択肢となる新しい内服薬です。

本記事では、ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の作用機序や期待される効果、副作用、他の乾癬治療との違いについて詳しく解説します。

乾癬とは?

乾癬

乾癬は、免疫の異常により皮膚に慢性的な炎症が生じる疾患です。

主な症状として
・皮膚が赤く盛り上がる紅斑
・白いかさぶたのような鱗屑(りんせつ)
・かゆみ
などがみられます。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すため、長期的な管理が必要な慢性疾患です。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)とは?

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)は TYK2(チロシンキナーゼ2)という分子の働きを抑えることで、乾癬に関与する炎症シグナル(IL-23、IL-12など)に関連した経路を調整します。
その結果、乾癬の炎症に関与する伝達経路の一部をブロックし、赤み・厚み・白いかさぶた(鱗屑)といった皮膚症状の改善を実現します。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の期待される効果

  • 紅斑の軽減
  • 鱗屑の減少
  • 掻痒(痒み)の改善
  • 生活の質(QOL)向上

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の特徴

✔ 1日1回内服で継続しやすい
✔ 注射ではなく飲み薬による分子標的治療
✔ 早い方で4週前後から改善傾向
✔ 16週前後で治療効果の評価を行うことが多い

乾癬は「急に消す治療」ではなく、安定してコントロールする治療が重要です。
ソーティクツはそのための選択肢の一つです。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の治療対象の方

原則として 15歳以上の方 が対象であり、「既存治療で効果不十分な症例」の以下の方が対象となります。

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)を用いた乾癬治療の流れ

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の内服治療をご希望の方は、あらかじめ診察を受けていただき、医師が適応かどうかを判断いたします。
医師により適応があると判断され、ご本人が治療を決めていただいた場合には、まずは結核の有無の評価(採血及び胸部レントゲン検査)、肝炎ウイルスなど感染症を含む一般的な採血検査を行い問題がないかを確認します。これらの検査結果が出るのには1週間ほど必要となります。検査結果に問題がないことを確認後に、ソーティクツの処方を行います。

※ソーティクツ(デュークラバシチニブ)は高額な治療になりますので、診察の際、医療費などに関する説明を聞いていただきます。
お配りするパンフレットには、具体的な医療費の助成制度も記載されておりますのでご参照ください。
※効果発現には通常4〜10週間程度を要します。
ソーティクツ(デュークラバシチニブ)に関する詳しい情報が知りたい方は下記製造元のウェブサイトをご覧ください。

ソーティクツの詳細(製造元:ブリストロ・マイヤーズ株式会社)

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の副作用・注意点

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)内服治療の副作用

  • かぜ症状のような体調不良が続く
  • 感染症が疑われる症状(上気道感染等)
  • ざ瘡(ニキビ)、毛包炎(毛穴の炎症)
  • 単純ヘルペス、帯状疱疹
  • 口腔潰瘍(こうくうかいよう):口内の粘膜や舌に白い膜や凹凸ができた状態であり、飲食時に痛みを伴います。など

注意事項
これまでに結核・肝炎などを指摘されたことがある方は投与ができません。
妊娠中・授乳中は投与ができません、
気分変調があれば速やかに申告して下さい。
重篤なアレルギー症状が出た場合は速やかに受診して下さい。
定期的な血液検査(血算、肝機能、腎機能など)の確認が必要となります。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)の料金

ソーティクツは保険適用の治療薬ですが、高額な治療となります。
患者様の年齢や年収、加入している健康保険組合により負担額は異なりますが、医療費の助成制度を上手くご活用いただき治療にお役立てください。
治療前にお配りするパンフレットには、具体的な医療費の助成制度も詳しく記載されておりますのでぜひご参照ください。

1月分(28日)3月分(84日)
薬剤総額¥70,840¥212,520
3割負担¥21,250¥63,760
2割負担¥14,170¥43,500
1割負担¥7,080¥21,250

※2026年2月現在、薬価は厚生労働省が定める保険収載価格(薬価基準)に基づきます。

ソーティクツ(デュークラバシチニブ)乾癬治療薬のまとめ

乾癬は慢性的に経過する炎症性疾患であり、治療としては症状を抑えながら長く安定させることが目標です。
ソーティクツは、そのための有力な選択肢のひとつです。

また、当院では、ソーティクツによる内服治療のほかにも、

ナローバンドUVB治療(全身型光線療法)
エキシマライト(局所型光線療法)
経口PDE4阻害薬(オテズラ®)

など、いくつかの全身療法の選択肢をご用意しています。患者様それぞれの症状やご希望、ライフスタイルに合わせて最適な治療方針をご提案いたします。

オルミエント治療のよくあるご質問

どのくらいで薬剤の効果が出ますか?

通常4〜10週間で改善傾向を示します。また、16週前後で効果判定の評価をします。

血液検査は必要ですか?そのほかにも必要な検査はありますか?

薬剤導入時やその後の定期機な採血が必要になります。また、薬剤導入時やその後の定期機な胸部レントゲン撮影が必要になります。

生物学的製剤との違いは?

注射不要で内服可能な点が特徴です。

長期間服用できますか?

医師管理下で継続可能です。

保険適用ですか?

医師管理下で継続可能です。

長期間服用できますか?

保険適用です。自己負担割合により費用は異なります。

ワクチンは打ってよいですか?

ソーティクツを服用している間は生ワクチン(BCG、水痘(水ぼうそう)、麻疹(はしか)、風疹(ふうしん)、おたふく風邪(ムンプス)等]の接種はできません。そのため、ワクチン接種が必要な際には医師にご相談ください。

この記事を書いた人

宗大先生

医療法人鶴町会 副理事長
つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士