掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは?

掌蹠膿疱症1
掌蹠膿疱症2

成人の手掌(手のひら)や足底(足の裏)に左右対称に小さな膿(膿疱)が形成され、慢性的にその状態が継続される疾患です。

症状

掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)

主な症状として、手の平や足の裏に小さな水ぶくれや小さな膿が多発します。これらの周囲は赤くなり、時には痒みを伴うことがあります。この膿疱は繰り返し形成され、慢性的な経過をたどります。
時に、手の平や足の裏だけではなく、膝や頭部などにもこの皮疹が広がることがあります。尚、この場合の膿は細菌感染などに伴う膿ではなく、炎症により反応性に生じる膿です。

爪の変化

手や足の爪が障害を受けることで爪が厚くなり、爪の表面に点状の陥凹(へこみ)がみられることがあります。

掌蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)

全体の約10〜30%の方に認められる症状であり、胸周囲の関節に痛みが生じることで、胸痛として自覚されることがあります。

原因

  • タバコ、喫煙(特に長期喫煙者に多いです)
  • 持続する咽頭炎や扁桃炎などの喉周辺の炎症や副鼻腔炎
  • 虫歯(齲歯)、入れ歯などの歯科金属によるアレルギー
    などが関与するとされています。

治療方法

紫外線療法
エキシマライトという機械を用いて治療します。この治療法は保険適応であり、効果が実証されております。

外用薬
ステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤など

内服薬
抗ヒスタミン薬(痒みが強い場合)、鎮痛剤(痛みが強い場合)
抗生物質(慢性的扁桃炎やその他の病巣感染が疑われる場合)
漢方薬
オテズラ(アプレミラスト):局所療法で効果不十分な場合
など

その他の特殊な治療

  • 注射薬:紫外線治療や外用治療に効果が乏しい場合には高額な治療となってしまいますが、定期的な皮下注射製剤により効果があることが知られています。そのため、大きな病院にご紹介させていただきます。
  • 歯科金属アレルギーなどが金属パッチ試験で明らかな場合には、歯科医院での歯科金属除去をお勧め致します
  • 虫歯がある場合には、歯科医院での虫歯治療をお勧め致します。
  • 慢性的な咽頭炎や扁桃炎及び副鼻腔炎がある場合には、耳鼻科医院での治療をお勧めします。

日常生活上の注意点

  • 禁煙
    タバコを吸うことをやめていただくことをお勧め致します。

この記事を書いた人

宗大先生

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士