手足口病

手足口病とは?

手足口病

毎年5月ごろから増加し始め、7月にピークを迎えるウイルス性の感染症です。ほとんどは小児で発症し、5歳未満の小児が約80%以上を占めますが、まれに大人にも感染します。原因ウイルスは複数のため、何度も罹ってしまうこともあります。

症状

ウイルス感染後に2〜5日間の潜伏期間を経て、約半数の方に微熱などの風邪症状が先行します。その後、口腔内の粘膜や手の平、足の裏・甲などに小さな水ぶくれ(小水疱)、赤み(紅斑)が現れます。その際、痒みは少ないですが、押したときに軽度の痛み(圧痛)を認めることがあります。これらの症状は約1〜2週間程度で治ります。

また、1~2ヶ月後に手足の爪が剥がれる(爪甲脱落症)ことがありますが、その後変形などを呈さずに新しい爪が生えてきます。しかし、口腔内粘膜の水疱がつぶれた後に生じる口内炎がひどいために、食事や水分を摂取できなくなることで「脱水症状」を起こすことがあります。

また、まれに髄膜や脳にウイルスが感染することで髄膜炎・脳炎などの重症化する場合があるので注意が必要です。

原因

コクサッキーウイルス、エンテロウイルス等が代表的な原因ウイルスです。
くしゃみや咳などを介する飛沫感染や、手足にできた水疱の内容物や便などを介する接触感染が主な感染経路です。

治療方法

原因ウイルスに対する治療薬はないので、症状を和らげるための対症療法が基本です。
髄膜炎や脳炎を疑う場合や、口からの食べ物や飲み物の摂取が困難な場合は近くの病院への紹介をさせていただくこともあります。

生活上の注意点

  • 口の中に発疹があって飲食しにくい場合は、刺激にならない柔らかい食事(おかゆ、うどん、雑炊等)にしたり、水分補給もしっかりするようにしましょう。
  • 症状が落ち着いた後も、2~4週間は便からウイルスが排出され続けるため、排便後の手洗いを徹底させましょう。また、乳幼児の場合であればオムツ等を適切に処理し、保護者も手洗いを徹底することが大切です。
  • プールやお風呂に入ることが直接の感染原因になることはありません。ただし、水疱内の液体にはウイルスが含まれているため、水疱がつぶれるなどして漏れ出た液体に触れると接触感染につながることがあります。そのため、水疱がある間はプールを控えましょう。
    また、お風呂の際は体を拭くときに水疱がつぶれないように気を付け、タオルの共用はしないなどの注意が必要です。

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