汗疹(あせも)とは?
汗疹(あせも)とは、高温多湿下で多くの発汗があり、汗が蒸発しにくい環境で汗を排出する管(汗管)の詰まりによって、汗管内に汗が貯留し皮膚内に漏れ出ることで起こる症状です。
症状
汗疹は以下の2つに分類されます。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
発熱時や高温・多湿環境(温泉・サウナなど含む)にさらされた時などに、体幹(体の部分)・四肢(腕や足など)などほぼ全身に、直径1〜2mmの白色の小さな水ぶくれが短時間に多発します。これらは、毛孔(毛あな)に一致しており、内容は透明で表面は水晶のようにキラキラ輝いて光沢があります。赤みや痛みや痒みなどはなく、数時間ですぐに水疱は破れて、一日以内に無治療で治癒します。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
額・顔・首・脇の下・鼠径部・膝裏・肘裏・胸背部など汗をかきやすい所や、汗が溜まりやすく皮膚が擦れる所(間擦部)に、直径2〜3mmの赤色の小さなぶつぶつ(小丘疹)が多発します。
軽い痒みや、ピリピリした痛みも伴います。特に、乳幼児ではオムツ部や体幹などの蒸れやすい所によくできます。
原因
汗管の流れが詰まり、汗が皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激することで、小さな水ぶくれ(小水疱)や赤みのある小さなポツポツ(小丘疹)ができます。
夏場などの高温多湿の環境での運動、湿布、包帯、ギプスや通気性の悪い衣類の着用など、汗の量が増えて通気が悪い状態の時によく起こります。
特に、乳児の場合は発汗機能が未熟のため、厚着をすると汗疹(あせも)ができやすいと言われています。
治療方法
水晶性汗疹
基本的に治療薬は不要で、経過観察します。
紅色汗疹
主に弱めのステロイド外用剤を使用します。必要に応じて非ステロイド外用剤も使用します
生活上の注意点
- 衣類や室温調整をし、涼しい環境で過ごしましょう。
- 家庭でのスキンケアが大切です。汗をかいたら、濡れたガ-ゼやタオルなどの柔らかい布でこまめに拭き取ってあげたり、シャワーで洗い流して皮膚の清潔を保ちましょう。また、シッカロールなどのベビーパウダーを用いて汗の吸着を行いましょう。
- 時折、汗が溜まった部位への黄色ブドウ球菌の感染が合併すると汗腺膿瘍(膿だまり)となることがあるので注意が必要です。汗腺膿瘍の治療では抗生剤の内服・外用を行い、必要に応じて内部の膿を外に出す場合があります。