ケロイド・肥厚性瘢痕

ケロイド・肥厚性瘢痕とは?

真皮(皮膚の深い部分)内にある結合組織が過剰に増殖し、傷痕が赤く盛り上がった状態をいいます。時に、痒みや圧痛を伴います。
※圧痛とは、圧迫に際して生じる痛みあるいは不快症状のこと。

症状

表面はピンク色の扁平・半球状の皮膚の盛り上がりが認められます。

ケロイドの場合

時間経過とともに皮膚の盛り上がりが大きくなり、元の傷部分よりも大きくなります。つまむと軽度の痛みがあり、時折痒みも伴います。

肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)の場合

元の傷部分よりは大きくならずに、数年かけて自然消退するとされています。

原因

炎症、外傷や手術などの部位

炎症(ニキビなど)、外傷や手術などの部位に、1月後くらいから生じます。また、ピアスが原因で耳に生じることもあります。

体質

よくできる部位:
前胸部、肩、上腕(二の腕)、下あご部、耳など(傷がない場合にも生じることがあります)

治療方法

単独で効果のある治療法は確立されておらず、複数の治療を組み合わせるのが一般的です。

◾️外用薬
・ドレニゾンテープ(ステロイドの貼り薬)
・軟膏(ステロイド剤)
・ヘパリン類似物質(ヘパリンクリーム)

◾️内服薬
・トラニラスト(抗アレルギー剤)
・漢方薬(柴苓湯)

◾️外科的療法
必要に応じて形成外科などへ御紹介します。

◾️レーザー治療
色素レーザー(VビームⅡ)など

◾️局所注射
・ステロイド剤の注射

◾️光治療
IPL

治療を受ける上での注意点

症状や状況に合わせて治療法をご提案いたしますのでまずはご相談ください。
当院での種々の治療に反応が乏しい場合は、専門的な形成外科機関での切除治療も検討されますので、その際はご紹介させていただきます。

18歳未満の方でレーザー治療を受けられる場合、保護者様の承諾が必要になります。治療をご希望の場合は、初回時には保護者様に同伴していただき、親権者同意書に署名をいただきます。

この記事を書いた人

宗大先生

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士