赤ら顔(毛細血管拡張症)とは?

赤ら顔とは、顔の毛細血管が拡張して目立ち、常に頬や鼻のまわりが赤く見える状態です。当初は「肌が敏感」「すぐ赤くなる」程度に感じられることもありますが、時間が経つと赤みが慢性化し、毛細血管の浮き出しが顕著になり、火照りなどを引き起こす可能性もあります。
赤ら顔には酒さ、毛細血管拡張症、酒さ様皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、炎症後紅斑(ニキビ後の赤みなど)、接触性皮膚炎などが含まれます。
赤ら顔の原因とメカニズム
赤ら顔の原因は1つではなく、以下のような複数の要素が絡み合っています:
① 体質・遺伝的要因:
もともと毛細血管が拡張しやすい体質
② 外的刺激・環境要因:
寒暖差(冬の外気と室内の暖房差など)
アルコールや香辛料の摂取
紫外線や乾燥、強い洗顔
③ ホルモンバランスの乱れ:
更年期や月経周期による女性ホルモンの変動
④ 外用薬(ステロイド)の長期使用:
ステロイド外用薬の長期使用により、皮膚が菲薄化し、毛細血管が目立つようになる「酒さ様皮膚炎」のリスクもあります。
当院で行う赤ら顔治療【Vビームレーザー/IPL】
■内服薬:保険適用
・ほてりの改善を目的として各種漢方薬
・ドキシサイクリンなどの抗生物質(酒さの場合)
など
■外用薬:保険適用
・メトロニダゾール外用(商品名:ロゼックス®ゲル)(酒さの場合)
■外用薬:自由診療
・イベルメクチンクリーム(ロゼックスゲルでは効果が不十分な時に使用)
■レーザー治療:保険適用
・色素レーザー(VビームⅡ)
ヘモグロビン(血液の赤い成分)に反応して、拡張した毛細血管を選択的に破壊します。(毛細血管拡張症、苺状血血管腫、単純性血管腫に保険適応あり)
4週間以上の間隔で複数回照射することで、徐々に赤みが改善します。
ダウンタイムとしては、一時的な照射後の顔のむくみ、約1週間ほどの紫斑形成(軽度の皮下出血)を認めることがあります。
■光治療:自由診療
・Intense Pulsed Light(IPL、光治療)
赤ら顔だけでなく、くすみ・しみ・毛穴の開きなど、肌全体のトーンアップにも効果がある治療です。赤ら顔と同時に肌質も改善します。ダウンタイムはレーザーと比べると少ない治療です。
注意事項
※お子様同伴の患者様:施術中はお子様はレーザー室に入ることができません。また、看護師はお子様の見守りを行うことができませんので、どなたかお子様を見ていただける方とご一緒にお越しいただくようお願いいたします。
未成年の方でレーザー治療を受ける場合、親権同意書が必要です。
18歳未満の方でレーザー治療を受けられる場合、保護者様の承諾が必要になります。治療をご希望の場合は、初回時には保護者様に同伴していただき、親権者同意書に署名をいただきます。
よくある質問
医師が「毛細血管拡張症」と診断した場合、Vビームによるレーザー治療は保険適用となります。。
個人差はありますが、通常は2~4回程度の照射をしていくことで徐々に赤みが薄れていきます。
紫外線対策をすることが大切です。また、刺激の少ないスキンケアを選びましょう。
まとめ
赤ら顔は体質やホルモンバランス、環境などが複雑に関与する症状であり改善が難しいケースが多く見られます。当院では、漢方や外用剤などの他にも保険診療のVビームレーザーや自費診療のIPL(光治療)を用い、赤みの程度や原因に応じた個別対応を行っております。
「いつも頬が赤い」「メイクで隠しきれない顔の赤みが気になる」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。