ニキビ・ニキビ跡とは?
ニキビとは医学用語で「尋常性ざ瘡」と呼ばれています。思春期男女の90%以上が経験するとされます。皮脂の分泌排出と密接に関連します。
症状
10〜30歳代までの青年期の男女に多く、顔面、背部、前胸部などの脂漏部位(脂が多いところ)に発生しやすい、毛穴に一致した慢性的な炎症性病変です。紅斑(赤み)、丘疹(小さな盛り上がり)、膿疱(小さな膿貯まり)、結節(大きめの盛り上がり)、瘢痕(ニキビ痕や炎症に伴う皮膚の凹凸)などを形成します。
時に、ニキビが重症化すると、結節や瘢痕が多発することで集簇性ざ瘡の状態へ移行することがあります。また、母体由来のホルモンに関与すると考えられている新生児に生じる新生児ざ瘡という状態もあります。
原因
- 男性ホルモンなどの影響により皮脂腺の分泌が亢進し、皮脂の貯留とアクネ菌などの皮膚の常在菌の増加が起こりやすくなる。
- 皮脂中の中性脂肪(トリグリセリド)が細菌によって分解されて遊離脂肪酸が発生し、これが毛穴の角化を引き起こし、毛穴が塞がれ、さらに皮脂の貯留が亢進するため
- 毛穴周囲に存在するアクネ菌などの皮膚の常在菌によって作られた遊離脂肪酸が毛包を刺激・破壊して炎症を誘発するため
- ニキビダニの寄生による毛包虫性ざ瘡
- ステロイド外用剤の長期使用によるステロイドざ瘡
など
治療方法
保険治療
◼外用薬
抗生物質含有外用剤(軟膏、クリーム、ローション、ゲル)、アダパレン(レチノイド)、ベピオ(過酸化ベンゾイル)製剤の単独または配合剤、イオウ製剤、サリチルローション(ピーリング剤)などを適宜組み合わせます。
◼内服薬
抗生物質、ビタミン剤(Vit A, B2, B5, B6, C, E, Hなど)、各種漢方薬など
◼イオン導入
微弱電流を皮膚に通電し、ビタミンCローションをイオン化させて浸潤させます。
◼ステロイド局所注射
炎症が強い結節や瘢痕などに対して使用します。
自費治療
◼当院オリジナル化粧品
ビタミンCローション、ビタミンCクリーム
◼内服薬
イソトレチノイン(アクネトレント)
◼レーザー治療
・Er:Glassフラクショナルレーザー(モザイクリミテッド)
・IPL
・色素レーザー(VビームⅡ)
※症状によって機材が異なります。現在進行中のニキビ、ニキビ跡にも効果的です。
生活上の注意点
- 規則正しい生活が第一です。(食事・睡眠・ストレス除去)
- 1日2回洗顔料を使って洗顔し、肌を清潔に保ちましょう。
- ニキビを触ったり、つぶしたりすると、症状が悪化したり瘢痕を残す原因になります。洗顔やスキンケアをするとき以外は、ニキビに触れないようにしましょう。
- 甘いものや脂っこいものの食べ過ぎでニキビが悪化する場合は摂取を抑えてください。ビタミン豊富な緑黄色野菜や、食物繊維を含んだ食物など、バランスの取れた食事を心がけましょう。
治療を受ける上での注意点
治療法によってそれぞれ異なりますので診察時にご説明いたします。
症状や状況に合わせて治療法をご提案いたしますのでまずはご相談ください。
18歳未満の方でレーザー治療を受けられる場合、保護者様の承諾が必要になります。治療をご希望の場合は、初回時には保護者様に同伴していただき、親権者同意書に署名をいただきます。