乾癬(かんせん)とは?
独特の皮疹が生じる病気で、表皮(皮膚の浅い層)の持続的炎症とそれに伴う角化が亢進している状態です。発症する部位や症状は様々で、関節に異常が見られることもあります。
乾癬の症状は長期間にわたって続き、良くなったり、悪くなったりを繰り返します。中には自然治癒もあります。
症状
乾癬の皮膚症状として鱗屑、肥厚、紅斑の3つがあります。また、痒みを感じることもあります。さらに爪の変形(肥厚・亀裂・段差)がみられることもあります。関節症状(乾癬性関節炎)としては、関節の痛み・腫れ・こわばり・変形などがあります。
鱗屑(りんせつ)
皮膚がはがれかかってフケのようにみえる
肥厚(ひこう)
皮膚が盛り上がる
紅斑(こうはん)
皮膚が赤みを帯びた状態
原因
原因不明ですが、もともと遺伝的影響(白人では家族内発症が多い)や、様々な環境要因(飲酒、感染、肥満ストレス、薬物など)が複雑に関与し発症すると考えられています。
治療方法
■外用薬
ステロイド外用剤、ビタミンD外用剤など
■内服薬
オテズラ(アプレミラスト・PDE4阻害剤)、痒みに対して抗アレルギー薬
■紫外線療法
乾癬皮疹が全身性に出現している場合には、全身型ナローバンドUVB治療をご案内致します。また、皮疹部が狭い範囲に存在する場合にはエキシマライトという紫外線を照射します。
その他の特殊な治療
※当院では採用しておりませんので、必要に応じて大きな病院へ紹介します。
- チガソン(エトレチナート・レチノイド製剤)
- シクロスポリン(免疫抑制剤)
- 注射療法:生物学的製剤
日常生活上の注意点
- 適度な日光浴
始めのうちは短時間(15~30分以内)とし、徐々に時間を延ばしながら慣らしていきましょう。なお、急な日焼けは逆に乾癬を悪化させることがあるので避けましょう。 - 食生活の改善
低カロリーで魚・野菜が中心のバランスの取れた食事を心がけましょう。肥満やメタボリックシンドロームを改善することで乾癬の症状が良くなる傾向にありますので、規則正しい食生活を心がけましょう。 - 皮膚への刺激をしない
乾癬は強くこすれる部位や傷ついた部位にあらわれやすいので、入浴の際は激しくこすらないことを心がけましょう。 - 飲酒
大量の飲酒は乾癬の悪化因子の一つであるといわれているため、可能な限り控えましょう。 - ストレスをためない
精神的、肉体的ストレスは症状を悪化させます。寝不足も乾癬を悪化させる要因なので睡眠を十分にとりましょう。