汗管腫(かんかんしゅ)

汗管腫(かんかんしゅ)とは?

汗管腫1

汗管腫(syringoma)は、エクリン汗腺(汗を分泌する腺)が増殖して形成されるボツボツした良性の皮膚腫瘍です。放置しても問題ありませんが、自然に消えることはなく、整容的な悩みが多いです。​

主に以下の特徴があります:​

  • 大きさ:​直径1~3mm程度の小さな丘疹​
  • 色調:​皮膚色またはやや黄褐色​
  • 好発部位:​上下のまぶた、特に下まぶたに多く見られますが、額、頬、首、胸部、腹部など体幹にも発生することがあります。​
  • 性別・年齢:汗の分泌量が多い​思春期以降の女性に多く見られます。

原因

正確な原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:​

  • 遺伝的要因:​家族内での発症が報告されており、遺伝的素因が関与している可能性があります。​
  • ホルモンの影響:​思春期や妊娠中、更年期など、ホルモンバランスが変化する時期に発症しやすい傾向があります。​
  • 紫外線曝露:​紫外線による皮膚へのダメージが、汗管腫の発生や悪化に寄与する可能性があります。​

治療方法

汗管腫は良性であり、健康上の問題を引き起こすことはありませんが、美容的な観点から除去を希望される方も多くいらっしゃいます。

当クリニックでは、以下の治療法を提供しております:​

炭酸ガス(CO)レーザー:​レーザーを用いて汗管腫を蒸散させる方法です。​周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えつつ、効果的に病変を除去できます。​治療後は一時的な赤みやかさぶたが生じることがありますが、適切なケアにより数週間で改善します。

再発について

汗管腫は再発する事が良く見られます。​特にホルモンバランスの変化や紫外線曝露などの要因が関与している場合、再発リスクが高まると考えられます。​定期的な皮膚のチェックや適切なスキンケアが再発予防に重要です。​

汗管腫は放置しても自然に消えることは少ないので、お悩みがある場合は皮膚科医による対応をおすすめいたします。

治療を受ける上での注意点

18歳未満の方でレーザー治療を受けられる場合、保護者様の承諾が必要になります。治療をご希望の場合は、初回時には保護者様に同伴していただき、親権者同意書に署名をいただきます。

まとめ

汗管腫は放置しても自然に消えることは少ないので、お悩みがある場合は皮膚科医による対応をおすすめいたします。

この記事を書いた人

宗大先生

つくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 皮膚科担当医師
鶴町 宗大 医師
◆皮膚科専門医 ◆レーザー専門医 ◆医学博士