イボ(疣贅)とは?
イボは疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれ、皮膚にできる小さな増殖性(盛り上がり)病変のことを指します。原因などによりいくつかの種類があり、下記にはその代表例を紹介させていただきます。
症状
尋常性疣贅
小児に好発(よく起こる)します。顔、手足や指趾に好発します。小丘疹(小さなポツポツ)として始まり、増大すると表面がイボ状になります。単発より多発することが多く、爪周囲では大きな局面にもなります。治療しないでおくと増殖、増大します。
※指趾(しし)とは、手の指と足の指のこと。
老人性疣贅(脂漏性角化症)
若い方では20歳代から出現し、高齢者ではほぼ全員にみられます。
顔面や頭部、体幹などに平らな盛り上がりとして出現します。大きさは2mm~2cm程度であり、表面は平滑〜イボ状を呈し、色調は正常色・褐色〜黒褐色まで様々です。
青年性扁平疣贅(扁平疣贅)
青少年の女子の顔面(額、頬)や手背に好発します。わずかに隆起した直径数mm大の扁平な小丘疹が多発し、ときに線状に並んだようになります。色調は正常皮膚色から淡紅色で、自覚症状はほとんどありませんが、時に軽い痒みがあります。
原因
尋常性疣贅
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-2などが主体)感染によるもの
老人性疣贅(脂漏性角化症)
老化により生じるイボ状を呈する良性腫瘍(いわゆる老人性イボ)で老人性色素斑と混在する。
青年性扁平疣贅(扁平疣贅)
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-3,10が主体)感染によるもの
治療方法
■液体窒素による凍結療法(保険治療)
■医療用レーザー
・Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー(アレックス)
・Qスイッチ・ルビーレーザー(ナノスターアール)
・Qスイッチ・Nd:YAGレーザー(スペクトラ)
・炭酸ガス(CO2)レーザー
・色素レーザー(VビームⅡ)
■内服薬(保険適応:尋常性疣贅、扁平疣贅)
ハトムギ抽出物であるヨクイニン
■外用薬(保険適応)
カンタリスチンキ
治療を受ける上での注意点
治療法によってそれぞれ異なりますので診察時にご説明いたします。
症状や状況に合わせて治療法をご提案いたしますのでまずはご相談ください。
18歳未満の方でレーザー治療を受けられる場合、保護者様の承諾が必要になります。治療をご希望の場合は、初回時には保護者様に同伴していただき、親権者同意書に署名をいただきます。
よくあるご質問
基本的には1〜2週間隔での治療をお勧めしています。また、治療期間は個人差がありますが、平均的には3ヶ月程度で治ることが多いです。
痛み、水疱形成、出血、痂皮形成、色素沈着などがみられます。しかし、これらは治療過程の一環として生じてくるものなので、基本的には経過を観察していても問題ありません。
尋常性疣贅、ミルメシア、青年扁平疣贅、老人性疣贅(脂漏性角化症)
・尋常性疣贅の場合
基本的には液体窒素治療による治療を行います。また、ヨクイニンというハトムギ由来の漢方内服も併用していただきます。皮膚が硬くなりやすい足の裏のいぼなどには、スピール膏というサリチル酸を含むシート状の薬を用います。いぼの角質を柔らかくし、剥がれやすくする効果があります。尚、治療に抵抗性の場合はレーザーによる治療も考慮されます。
・老人性疣贅(脂漏性角化症)の場合
基本的には液体窒素治療とレーザー療法を行います。
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の一種が皮膚に感染してできます。ヒトからヒトへの直接的接触やプールや足拭きマット、スリッパを介した間接的感染も認められます。潜伏期間は1ヶ月~6ヶ月と長いので、原因がはっきり分からないことが多々あります。